信越五岳トレイルランニングレース
4年前に一度出場している、信越五岳トレイルランレース。
今までいろんなレースを走ってきてDNFしたのは2回、そのうちのひとつがこの大会でした。
あのリタイアをきっかけに、
「スタートラインに立つんだったら、必ずゴールに帰ってくる選手になろう」
と誓い、今まで多くのレースを完走することができました。
そのDNFから、この大会には毎年出る機会がなかったのですが、今年、ペーサーとして4年ぶりにこの大会に参加してきました。
今回ペーサーをやらせてもらった選手は西城克俊選手。
西城さんは、私にトレランのイロハを教えてくれた師匠であり、RunFieldの代表でもあります。
今までRunFieldを通していろんなトレイルを一緒に走ったり、合宿を行ったりしてきました。
真夏のすごく暑い中、週一回二人の予定を合わせて、一緒に50km近く林道を走るトレーニングを続けたりしたこともありました。
そんな西城さんが第一回目から9年連続で出場していて、おそらく一年で一番大切にしている信越五岳、しかも初開催の100mile。
そのペーサーという大役を、任せてもらえたことは、嬉しくもあり、不安でもあり、とにかく今までにない緊張感がありました。
台風の影響で、コース変更が発表され、100mileは102kmへと短縮。
距離が短くなったことにより、スピードレースになるだろうと予想され、私の不安はさらに増していきました。
50km以上走ってきてるとは言え、男子のトップランナーについていけるのか…?
西城さんからは「気楽にいこう」とか「楽しもう」とか言ってもらえるのですが、それでもスタートが近くにつれて、どんどん不安になっていきました。
そして19:30の大会スタートを見送ってから、ペーサーとしてスタートするまでの数時間、なんとかここで気持ちを落ち着かせ、
「私なんてどうだっていい、西城さんが良いレースができることが一番!私にできることは限られてるけど、それを全力でやればいいんだ」
って開き直ってペーサースタート地点にいくことができました。
レース序盤で、転倒し腕に縫うほどの傷を作ってペーサーポイントに現れた西城さん。
だいぶ出血もしていて、頭がボーッとしていると言っている。順位もかなり落としていて、このままレースを続けるのかどうなのか、と私は思っていましたが、西城さんに止める気配はまったくなく、ウェアを着替え、シューズを替え、食べ物を補給し、出発。
ここから、本当にすごい走りを見せていただきました。
腕の傷口はガーゼとテーピング、そしてアームウォーマーで血を抑え、それでも痛みは変わらないはずなのに、何があってもゴールまで行くという強い気持ち。
そして、落とした順位を挽回するべく、とにかく一人一人前を追っていく姿勢。
私は後ろから付いていくことしかできないけれど、それでもいろんな話しをして、少しでも痛みやキツさが紛らわせられたらいいなぁと、そして一緒に走っている人がいるっていうことが、ちょっとでも力になればと思いながら、走り続けました。
台風の予報ではあったけれど、少し風が強いだけで雨が降ることはなく、途中夜が明けた赤倉のスキー場の上からは、素晴らしい景色も見ることができました。
ラストは西城さんも本当にキツそうだったけど、それでもとにかくひたすら前を追い続け、ペーサーがついてから一度も順位を落とすことなく、最後は16位まで順位を上げてフィニッシュ!!
魂の走りを見させていただきました!
私自身も、最後の赤倉エイドを出てからは、かなりキツくなってきて、ほんとにラストはいっぱいいっぱいになってしまいました。
全然余裕がなく、ペーサーとしては本当にまだまだの実力でしたが、それでも西城さんのゴールの瞬間に立ち会えたことは、すごく嬉しかったし、達成感がありました!
本当に貴重な経験となった今回の信越五岳。
4年前に踏めなかったフィニッシュラインを、師匠である西城さんと踏めたことは、今までのたくさんゴールの中でも、特に思い出深いものになったと感じています!
来年はいよいよ第10回大会。
そして、西城さんにとっても10回目の信越五岳。
私はペーサーをしているのか、それとも選手として走っているのか、それは分かりませんが、本当に素晴らしいこの大会に、来年も関われたらなと思います。
台風という予報の中、距離を短縮し、選手の安全を守りつつ選手が満足いくような大会を作り上げてくださった大会関係者の皆様、そしてサポートしてくださった皆様、大会で会うことができたみんな、私をペーサーとして走らせてくれた西城さん、本当にありがとうございました!!
Yukari Hoshino
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