Skyrunning World Championships2018

スコットランドで開催された今年のスカイランニング世界選手権。
2年に一度のこの世界大会、私は2016年に続き2回目の出場となりました。


前回大会では個人成績8位、国別団体戦でも日本は銅メダルを獲得し、この年は達成感に満ち溢れた大会となりました。

そして、今年は個人では前回を上回る5位入賞、団体戦でも金メダルを目指し、日本チームみんながそれぞれの全力を尽くして戦いました。

しかし、結果は個人では19位、団体戦も4位とメダルに届かず、悔しい結果となりました。

何が足りていなかったのか。
私には?
日本チームには?
なぜ世界の壁は前回よりも高くなってしまったのか。


私個人で言うと、まずは絶対的なスピードがたりていない。
そして、スコットランドの山岳に対応しきれなかった。
世界のレースに出ると、それが例えウルトラレースであろうと、いつも入りのスピードに圧倒されます。
みんなスタートからガンガン飛ばして、力のある選手はそのまま最後まで押し切ります。
今回もやはり最初のスピードは全くついていけず、後方スタートとなってしまいました。

今回のウルトラレースは、悪天候によりルートが変更され、山岳部分が大幅にカット。
52km獲得標高4000mのコースから、47km獲得標高1600m、前半に山をひとつ登ったらあとは林道のみのコースへと変更されました。
これは全くの別物といっていいコース。
よりスピードが重視されるレースとなりました。

前半の山岳パート。
一見するとそんなにテクニカルな場所はないようなのっぺりとした山に見えますが、その足元はドロドロの沼地が多く、ひどいときは太腿まで泥の中に埋まってしまうほど深い場所もありました。
ちょっとした下りでも、慎重にいっても滑り落ちてしまうほど。
こういう場所を走ることは嫌いじゃないし、走れないような場所こそ面白いと感じますが、対応はしきれていなかったと痛感しています。事実、前半の山岳パートを終えての順位は25位。入賞圏内には程遠い位置となってしまいました。
山が終わると、残り25kmほどは走れる林道メインのコース。
もうここでひとつでも前をひろっていくしかないと、ギアを入れ替えます。
コース中間地点では、日本チームのサポートがあり、後半でもチームメイトからの応援があり、その度に元気づけられながら、必死に前を追いました。
そして、19位でゴール。
結局後半の走れる林道パートで6人パスしての順位となりました。

私自身、走れるところよりも山岳の方が得意だと思っていましたが、スコットランドの山には打ちのめされた形となりました。

それは、私だけじゃなくて、日本チーム全体もそうだったのかもしれません。

それはスコットランドの目まぐるしく変わる厳しい気象条件に対応しきれなかったこと。
標高1000m前後という、スカイランニングのエリアとしては決して高くない山ですが、これほどまでに厳しい条件になるということを想定しきれていなかった。
山には標高では計り知れないものがあるということを。

それでも、日本チームは必死に世界の頂きに駆け登りました!
VK、Sky、Ultra全ての種目で日本代表選手がトップ10入り、表彰台に上がりました。
金メダルとは差があったものの、3位とはあと少しというところまで詰め寄りました。

そして、このスコットランドでの世界選手権を通して、日本のスカイチームはまたひとつ大きな経験を手にしたと思っています。
山の厳しさ、山での対応力、世界のトッププレイヤーとのレースを通じての、大きな経験。

2年後におそらくまた世界選手権が開催されます。
その時こそは、今回目標として掲げた「団体戦金メダル」を日本に持ち帰るチームになれると信じています。

2年後、私は日本代表になれているか分かりませんが、選手として日本代表になっていてもなっていなくても、日本スカイチームのこの大きな夢のために、できることをやっていきたいと思います。

今回のこの世界選手権への遠征のために、基金にご協力してくださった皆様、スポンサーの皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!


Yukari Hoshino



Yukari Hoshino / Run NM

栃木県日光市在住のマウンテンランナー星野由香理のオフィシャルページです。山を愛し、自然から多くを学び、日々野山を駆け回りながら生活しています。アスリートから一般の方までのトレーニングをサポートするフィジカルトレーナーとしても活動しています。

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